キャビアとじゃがバタークリーム、静かなコクに寄り添う、ウォッカという選択。

キャビアとじゃがバタークリーム、静かなコクに寄り添う、ウォッカという選択。

FEATURES

キャビアとじゃがバタークリーム

静かなコクに寄り添う、ウォッカという選択

ジャパンキャビア株式会社

ジャパンキャビア株式会社
キャビア製造・商品開発チーム

2026.01.07 更新

国産キャビアの製造・熟成に長年携わり、食品製造の現場から生まれる視点をもとに、食とものづくりの背景を発信している。

白く、なめらかな円形に整えたじゃがバタークリーム。
その中央に、控えめにのせたキャビア。
脇に添えたマスカルポーネのソースは、流れるように一筋。

余白を残した盛り付けが、この一皿の性格を物語ります。

主張は控えめで、一口ごとに、素材それぞれの輪郭が、静かに、しかし確かに立ち上がってくる。

特別な技巧を見せる料理ではありません。
けれど、手を抜いていないことは、すぐに伝わる。
そんな前菜です。

料理について

温かいうちに潰した男爵いもに、無塩バターと生クリームを加え、ムースに寄せすぎず、なめらかさを残した質感に仕立てています。

じゃがいもの自然な甘みと、バターの丸みのあるコクが重なり、口に含むと、すっとほどけていく。

キャビアは量を抑え、塩味と旨味を一点に集約する役割。

マスカルポーネのソースは、料理を覆うためではなく、余韻を外へ導くための存在として添えています。

この料理に求められる“飲みもの”

この一皿は、何かを足して完成させるタイプの料理ではありません。

乳脂肪はあるが、重くならない、酸味はほとんど感じさせない。

キャビアの塩味は、あくまで繊細。だからこそ、香りや味わいが前に出る飲みものを合わせると、料理の輪郭がぼやけてしまうことがあります。

必要なのは、印象を上書きする存在ではなく、口の中を静かに切り替えてくれる飲みもの。
余韻を整え、キャビアの塩味だけを、次の一口へと残す役割です。

その役割を担える選択肢のひとつが、ウォッカです

ウォッカは、香りや甘みで存在感を示す酒ではありません。

アルコールの力によって、乳脂肪の余韻をすっと切り替え、キャビアの塩味と旨味を、最も純粋な形で残します。

派手さはありませんが、この性質こそが、キャビアとともにウォッカが選ばれてきた理由です。

ただし、この一皿に合わせるのであれば、香りを足さないことと同時に、余韻をわずかに整える設計が求められます。

なぜ、ウォッカなのか

ウォッカは、キャビアと最も長く寄り添ってきた酒です。

香りで驚かせることも、味わいで主張することもない。

ただ、脂肪分の余韻を整え、キャビアの塩味だけを、きれいに残す。

この役割は、すべての酒が担えるものではありません。

1983 J.CAVIAR ウォッカ
1983 J.CAVIAR ウォッカ

1983 J.CAVIAR ウォッカ

1983 J.CAVIAR ウォッカは、その基本的な役割を崩さないまま、余韻の精度だけを、わずかに調整したウォッカです。

平兵衛酢と日向夏がもたらす、ごく穏やかな柑橘のニュアンス。
そして、意識しなければ気づかないほど微量の山椒。

いずれも、香りとして主張するためのものではありません。

乳脂肪の余韻を外へ導き、キャビアの塩味が消え際まできれいに残るよう、口の中の輪郭を、そっと整えるための設計です。

強さを和らげるためでも、個性を足すためでもない。
この一皿の静けさを崩さず、料理の精度を、ほんの一段引き上げる。

そのためのウォッカです。

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